新築施工例

【宗像市 K様邸】 白木建設 本格入母屋造りの家 リクシルメンバーズコンテスト2013 出展作品 【工事流れ編】



  • ① 厳選した木材を搬入。いよいよ墨付けです。


  • ② 通し柱の墨付けです。 木材の1本1本の癖を見ながら適材適所に使えるように墨を付けていきます。


  • ③ 丸桁の差し合わせです。 どんな形の材料でもぴしゃっと隙間なくくっつくまで何度も差しては抜いて微調整し、合うまで繰り返し続けます。


  • ④ 通し柱の差し合わせです。棟上げ前に差し物は全て差し合せします。引き寄せるのは込み栓を打って引き寄せます。昔からこの方法で差し物は強度を出しています。昔の人はよく考えたものです。


  • ⑤ 建て方工です。 いよいよ家に魂を吹き込む建て方工です。プレカットのように簡単には入りません。木材が長年かけて乾燥しても隙間が空かないように少しきつめに造ってあります。大きなカケヤで叩き込んでいきます。


  • ⑥ 建て方工1日目です。 雨が降ったこともあり1日でここまでしか行きませんでした。2階建てで伝統工法による建て方工は日にちがかかります。しかし出来上がると日にちがかかった分いいものが出来ますし、しっかり造り込んだ分建築当時のままの姿が長く持ちます。


  • ⑦ 建て方2日目です。 2階の棟上完了です。餅巻きは、しましたが1階の入母屋部分の棟は上がりませんでした。後日クレーンを使わず人力で母屋、棟を組み上げました。


  • ⑧ 1階入母屋部分の小屋組です。 いや~よう組んでありますね~。自分で作って建てて惚れぼれします。自分で墨付けて、刻んだ材料を現場に搬入する時は自分の娘を嫁に出すような気分です。自分の娘が建築当時と同じ美人な姿で100年建っててもらうにはこの木組は当たり前なんです。


  • ⑨ 1階入母屋部分の小屋組です。 下から地紅梁、(じこうりょう)小屋梁、二重梁、三引き、高梁、棟となります。入母屋の瓦の荷重は相当なものです。これくらい組まないと日本の家は持ちません。地震と台風の多い国ですから。国は地震対策で屋根を軽くしろといいますが、軽くしたことによって最近よく来る大型台風や竜巻には軽い屋根はかないません。昔から日本の家は瓦を葺き瓦の荷重をしっかり支える木組で成り立っていたんですよ。今も昔も地震大国、台風上陸の国なのです。


  • ⑩ 2階切妻部分の小屋組です。 これも同じく下から地紅梁、小屋梁、二重梁、三引き、高梁、棟と組んでいきます。瓦の上からの力をヤジロベエの様に組んだ小屋組で分散します。西方沖地震の時に和白に新築工事をしていましたが無害でした。もちろん宗像近辺に自社が建てた家も1軒も被害はありませんでした。白木建設は、瓦を葺く家にはこれが標準仕様です。


  • ⑪ 入母屋には欠かせない隅木です。 この隅木が屋根の優美な反りを出すのにいい仕事をしてくれます。逆に荷重に耐えれないと優美な反りを保つことは出来ません。


  • ⑫ 入母屋の軒先部分です。 社寺建築によく見られる扇垂木です。隅木を中心に扇が開いているように見えるでしょう。垂木1本1本緻密に計算して角度を決め取り付けていきます。出来上がって下から見上げたら綺麗ですよ。 


  • ⑬ 瓦葺き工事です。 木組の家は瓦の荷重がかかってから本当の強度が出ます。日本の家は綺麗ですね~。棟瓦にはシャチホコが乗っています。


  • ⑭ 外観完成です。 丸桁(まるげた)の上に軒桁(のきげた)を置き、出桁(でげた)をかけ、垂木(たるき)は杉丸太で扇垂木(おおぎたるき)です。屋根の形状は、入母屋造り千鳥破風反り(ちどりはふそり)屋根です。


  • ⑮ 下から見た軒先です。 丸桁を十字に組みその上に軒桁を置き、出桁を架け隅木を中心に扇垂木が広がります。綺麗な軒先です。昔の大工さんから受け継がれてきた芸術です。この技術は絶対に受け継ぎ残していかなければ…


  • ⑯ 駐車場から玄関へのアプローチです。 車を降りると丸桁、虹梁(にじばり)、出桁、扇垂木、升組のトンネルが出迎えてくれます。これらの木組みは全てお施主様にはサプライズでさせて頂きました。出来上がっていくのを休みの日はほとんど現場に来て目に焼き付けておられました。


  • ⑰ 入母屋造り千鳥破風反り屋根の正面写真です。 優美でまさに千鳥が羽を広げて飛び立ちそうですね(笑)


  • ⑱ 玄関正面です。 こちらから見るとお寺のようですね。お施主様にはお城のような家を造ってって言われたんですけどね(笑)でもものすごくかっこいい家になったって喜んで頂きました。その言葉でプレッシャーから開放されました。

お客様のご要望

お施主様が姫路城が好きで実際に何度か見に行かれました。ものすごいプレッシャーでしたが、外観は日本のお城の様な家にしてほしいということでした。子供が幼少の為、自然素材を使って家を造ってほしい。知人や友人をたくさん呼ぶ事が多いため、座敷と和室を造って用途によって二間続きに出来るようにしてほしい。木の良さを知っているので、木をふんだんに使ってリビングの天井に出してほしい。

提案ポイント

【受注のキッカケ】
お施主様は棟梁の所属する草野球チームの後輩で、私が工務店をしているのを知らずハウスメーカーに見積りに行って家を建てようかと思っているんですけど…と相談され私が工務店をしていると告げるとすぐに私に建ててほしいと意気投合し計画をスタートさせました。

【施工のポイント】
この家もプレカットを一切行わず、国産和木を厳選して仕入れ、昔ながらの墨付け手刻みを施し、構造体は木組のみで強度を出しています。内装も木をふんだんに使ってリビングの天井は梁見せ、壁は柱見せ真壁工法で壁仕上げ材は珪藻土(けいそうど)です。

お客さまの声

自分の希望通りの家が出来上がりました。この家に住んでから子供が良く寝るようになりました。

施工概要

所在地
宗像市
家族構成
大人2人子供1人
建ぺい率
60%
容積率
200%
構造・工法
在来木造軸組(木造在来)
丸太組工法
敷地面積
100
延床面積
41
竣工
2011年8月
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