棟梁の仕事ブログ

40年前の職人の魂!

2018.11.04
この間、保育園の年長さんの三女が『ねぇ~パパ~。私、パパ大好き!』と突然言うので
私が『パパのどこが好きなん? 顔?』と聞くと『ううん!大工さんしよるとこが好き』っと
顔じゃなかったのが少しショックでしたがあんな小さな子でも見てるんですね。
一生懸命仕事している姿が好きと。あんな小さな子にも一生懸命さが伝わるのなら
お客様にも伝わるって事ですよね。いい加減な仕事なんか毛頭する気はありませんが
『見ている人がいる、わかる人にはわかる』って痛感しました。
小さな子から言われた何気ない一言に身が引き締まる思いでした。
そういえば今40年前位に建てられた家をリフォームしているのですが
2階の床の間の天井裏を覗くと天井板の上に墨差しと言う墨付けをする為には
欠かせない道具が置いてありました。
私も、親父からこう言う話を聞いた事はありましたが実際に置いてあるのは初めて見ました。
親父の話によるとその家を建てた棟梁が床の間の天井裏に墨壺や墨差しを置いて行くそうです。
なぜかは、はっきりわかりませんが魂込めて造った建物じゃないと置いて行けないですよね。
一見忘れたのかとも思えますが大工として絶対にあんなところに墨差しを忘れるなんてありえないと
思います。自分が建てた家に職人魂を少し置いて行ったのだと思います。
本当に昔の大工さんって粋ですよね(^^)
そういえば阿蘇の友人のお店を解体した時にも床の間の周辺から墨差しが見つかったのですが
どこに置いてあったかはわかりませんでした。
今回のように実際に置いてある所を見たのは初めてだったので思わず写真に撮ってしまった1枚です。

こんな感じで天井板の上に置いてありました。
こういうことをする棟梁の気持ちがわかる棟梁になりたいと思った貴重な体験でした。
 

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